院内感染の現状
入院患者が病院内で新たな感染症にり患する「院内感染」。健康な人なら感染しても発症しない病原体であっても、一般的に免疫・抵抗力の弱い入院患者が病原性の強い細菌やウィルスに感染・発症すると重症化する恐れがあります。
病院は様々な病原体を持つ患者が集まる場所であるため、病院から病原体を完全にシャットアウトすることは現実的にはとても困難です。院内感染を予防するには、病院内の人と環境をいかに病原体フリーの状態に近付けるかが課題となっています。
染めQでは独自のナノ密着技術を応用し、院内感染予防に効果のある製品開発に成功。杏林大学医学部神谷教授と共にその効果について検証行いました。
日本細菌学会へ発表の共同検証レポートご紹介
杏林大学医学部神谷教授と共に日本細菌学会にて発表した、染めQテクノロジィのナノ分子吸着抗菌剤「ウィルス増殖環境消滅」の効果についての検証レポートをご紹介します。
ナノ分子吸着抗菌剤「ウイルス増殖環境消滅処理」の病原細菌への効果
目的
腸管系病原細菌および院内感染起因菌に対する「ウイルス増殖環境消滅処理」の殺菌効果およびその効果の持続性について検討を行った。
方法
【プレートの調製】
24ウェルプレートの12ウェルに2ulの「ウイルス増殖環境消滅」(複数種抗菌剤含有)を塗布し、室温乾燥後デシケーター内に保存した。24時間後、2週間後および4週間後に殺菌能の測定を行った。
【被験菌株】
9菌種11菌株を被験菌株とした。Staphylococcus aureus (MRSA、MSSA)2菌株、Escherichiacoli(non-pathogenic株、O157:H7 EHEC株)2菌株を使用した。また、Salmonella enterica serovar Typhimurium、Shigella flexneri、Campylobacter jejuni、Vibrio parahaemolyticus、Pseudomonasaeruginosa、Serratia marcescens、Bacillus cereusについては1菌株を使用した。
【殺菌能の測定】
一夜培養した菌液をペプトン水にてMacFarland 0.5の濁度に調整し、さらに100倍希釈して実験に使用した。各菌液200ulずつを各ウェルに添加し、35度で24hr保温した後、100ulを採取した。ペプトン水にて10倍段階希釈した後、50ulをLB寒天培地に塗布した。対象については菌液の希釈のみについて同寒天培地に塗布した。1夜培養後、出現したコロニー数からサンプル中生菌数を算出した。
【走査電子顕微鏡による観察】
被験菌株のうちMRSA株およびO157:H7 EHEC株については「ウイルス増殖環境消滅」の効果を走査電顕により解析した。一晩保温した菌液を回収し、遠心によってポリリジンをコートしたディスク上に菌を吸着させ、グルタールアルデビド-PBS液で固定し、走査電子顕微鏡下で観察した。
結果
「ウイルス増殖環境消滅」は被検菌11菌株中9株に対して強い殺菌効果を示した。特にグラム陽性菌に対しては、処理後の生菌数は検出されず、非常に強い殺菌効果を示した。また、加工後1日後、2週間後および4週間後の結果には違いは認められず、被検物質の殺菌効果には変化がなかった。一方、院内感染起因菌のうちP. aeruginosaおよびS. marcescensに関しては殺菌効果が認められなかった。電子顕微鏡観察により「ウイルス増殖環境消滅」処理はMRSAおよびEHECの表層構造に障害を与えていることが明らかされた。
考察
「ウイルス増殖環境消滅」はP. aeruginosaおよびS. marcescensに対する殺菌効果は認められなかったがグラム陽性菌に対して極めて強い殺菌効果を示すとともに、E. coli、S. flexneri、S. Typhimurium、 V. parahamolyticusに対しても強い殺菌効果を有していることが明らかとなった。また、その効果は塗布後少なくとも4週間は持続することが明らかとなった。抗菌物質を金属、紙、プラスチック、布などの表面にナノテクノロジーを駆使して、効果的に付着させることに成功した本品が今後院内感染対策に使用されることが期待される。
神谷 茂(かみや ・しげる)教授
杏林大学医学部教授(学長補佐兼務)、日本無菌生物ノートバイオロジー学会理事長、日本マイコプラズマ学会理事長、JICA青年海外協力隊技術顧問。専門は医学微生物学。
ナノ分子吸着抗菌剤「ウィルス増殖環境消滅」について
今回共同検証の対象となった「ウィルス増殖環境消滅」は、独自のナノテクノロジーで超微粒子化した抗菌剤を塗布面に密着させ、ウィルスが増殖する環境を奪います。一般的なウィルス対策商品は殺菌を主とするものが多い中、当製品はウィルス増殖の温床となる雑菌の繁殖を抑えるものです。
手に触れる場所をウィルスが生息できない環境にすることで、接触感染を予防します。当製品は397種類の菌に効果があり、また長時間に渡って雑菌の繁殖を抑えるのも特徴です。人や環境に優しい成分を使用しているので、どなたでも安心してご使用いただけます。
染めQのナノ密着技術とは
染めQの独自技術について
カラー塗料スプレーとして開発した主力製品「染めQ」が染めQ技術の出発点です。最先端のナノテクノロジーを利用して顔料の微粒子を極小化し、どんなモノにも密着させられる技術を確立しました。
電子顕微鏡で拡大すると、平らに見えるモノでも表面には凸凹があります。染めQの技術で極小化した顔料は通常の粒子が入り込めない微細な隙間にまで粒子が浸透して定着します。何にでも粒子を密着させられるのがポイントです。
幅広い分野に応用可能
顔料だけでなく、防臭剤、抗菌剤、紫外線を吸収する素材など、様々な機能物質と組み合わせることで応用分野は無限大に広がります。
機能物質の密着期間は調整できるので、化粧品への応用も可能です。例えば紫外線を吸収する素材をナノ化して肌に塗れば、太陽光による皮膚のダメージを抑えられる可能性があります。また、薬剤が届きにくい水虫菌への対策や、歯のホワイトニングなどへの活用も考えられます。遮熱素材と組み合わせて建物の屋根や室内の壁に塗布すれば、冷暖房効率の向上など省エネにも寄与できます。
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